自由気ままなクライアント
縛る者と縛られる者
縛る者と縛られる者
どちらが楽しいのだろうか
仮に、世界にこの二人だけがいたとしよう
そして、この二人の性格、体格、知識
すべての初期設定を、真っ白の状態にしよう
また、この二人は同じことをすることが
できないとしよう
縛る者は縛られる者をこき使うだろう
縛られる者は縛る者にこき使われるだろう
縛る者には不自由がない
縛られる者が縛る者の不自由を
背負っているからだ
縛られる者は自由がない
縛る者に自由を奪われたからだ
現時点でこの二人を第三者、つまり
私たちから見れば、
縛る者は、悪役
縛られる者は、悪役の奴隷
だと思うだろう
結局、どちらのほうが楽しいのか
どちらも、同じ感情であろう
縛る者には不自由がない、
ということは自由がある
その自由をつかい、
縛られるものを命令したり、
一人で遊んだりできるだろう
だから、最初は楽しいであろう
しかし、二人で遊ぶことはできない
二人は同じことをすることが
できないからだ
これはとてもつまんないし、
楽しくも、面白くもない
この人には、
孤独というものが理解できるであろう
縛られる者には自由がない
ということは不自由がある
縛るものに従い、命令どうりに
奪われた自由を使われる
この時点ですでに
楽しくないことは明確だ
そして、苦しみ、怒りなどの
不の感情がでてくるであろう
しかし、縛る者には逆らえない
縛る者に自由を奪われたからだ
でも、いつもつまらなそうな
縛る者の顔を見れば、自分だって
そうなる、孤独になってゆく
この人には、
孤独を理解したものを理解することが
できる
孤独は、こどくを生む
憎しみが、新たなにくしみを生むように
喜びは、よろこびを生む
私たちの住むこの世界は、
どのような感情を
持っているのだろうか?
結論は、いわなくてもわかるだろう
